CASE 03アパレルEC / 使い分け・購買行動

アパレルECサイトは「使い分け」の時代へ。利用者50名が語った、ユニクロ・ZOZO・楽天・Amazon・SHEINの“役割の違い”

対象アパレルEC利用者の女性 50名期間11日間(平均8分/人)属性10〜20代40% / 30代36% / 40代24%

「Fast Interview」を活用し、直近3か月以内にアパレルECサイトで衣料品を購入した女性50名を対象とした自主調査レポートを公開しました。AIインタビュアーが音声で「なぜそこで買うのか」を質問し、選択式アンケートでは捉えきれない購入理由の背景を、一人ひとりの言葉から深掘りしました。

見えてきたのは、利用者が単一のECサイトに固定せず、「価格メリット」「失敗しにくさ(安心)」「探しやすさ」を軸に、「安心の定番」「見比べる場」「お得に買う場」といった役割で複数のECサイトを使い分けている実態でした。

調査概要

調査名
普段利用しているアパレルECサイトのインタビュー調査
手法
Fast Interview による音声AIインタビュー
対象
直近3か月以内にアパレルECサイトで衣料品を購入した女性(10代〜40代)
有効回答
50名(1人あたり平均8分)
属性
全員女性 / 10〜20代40%・30代36%・40代24%
期間
2026年5月4日〜5月14日

AIインタビューで見えた、使い分けの実態

1. 単一ECサイトに固定せず、目的別に複数のECサイトを使い分ける

利用しているECサイト(複数選択)はZOZOTOWN 60%(30名)、Amazon 52%(26名)、ユニクロ公式 42%(21名)、SHEIN 38%(19名)、楽天ファッション 36%(18名)、GUオンライン 28%(14名)と分散しており、複数のECサイトを併用し、用途に応じて買い場を選ぶ人が目立ちました。

「GUはスタイリングしやすい服が多くて、ユニクロは日常で使いやすくて品質が安定していると感じるので、用途で使い分けています」(40代・女性)

「一番よく使うのはGUで、サイズ展開が幅広くて着やすく価格も安いから。2番目はクーポンがあるのでZOZOTOWN、ユニクロは使いやすさが良いと、目的で使い分けています」(20代・女性)

「普段はSHEINとZOZOTOWNを併用しています。SHEINは安くてサイズ展開が豊富なところ、ZOZOTOWNは取扱ブランド数の多さが魅力です」(30代・女性)

2. 選定の軸は「価格メリット × 失敗しにくさ(安心)× 探しやすさ」のセット

ECサイト選定の理由として、3つの軸が単独ではなく「セット」で語られた点が重要です。価格の安さだけでは選ばれず、「失敗するかもしれない」という要素が、価格以前に購入意欲を下げていました。

「特定のブランドへのこだわりは弱くて、ECサイトを選ぶときは低価格・着回しやすさ・配送スピードといった実用的な価値を重視しています」(40代・女性)

「好きなブランドはGUで、理由は明確に安いから。普段はシンプルで失敗しにくい定番商品を選んでいます」(30代・女性)

3. 購入時の最大の不安は「サイズ感」

実物を試着できないECにおいて、最も繰り返し挙がった不安がサイズ感です。詳細な実寸表記、身長情報つきのモデル着用画像、サイズでの商品絞り込み、返品のしやすさといった「サイズの確からしさ」を高める仕組みが求められていました。

「サイズ選びではモデルの身長と実寸を確認して判断しています。低身長なので丈感やサイズを重視します」(40代・女性)

「服選びではサイズ感を特に重視していて、購入時にはレビューを必ず確認します」(20代・女性)

4. 情報はSNSが入口、最終判断は「レビュー」と「身近な他者」

情報収集の入口はInstagramやTikTokといった視覚的なSNSが中心ですが、特定のインフルエンサーへの依存は薄く、最終的にはサイト内のレビューや、友人・家族といった身近な他者の評価で確かめてから購入されていました。なお、好きなファッションスタイルは「きれいめ」62%、「ナチュラル」56%、「カジュアル」44%が上位でした。

「情報収集はInstagramやTikTok、インフルエンサー投稿が中心ですが、自分に似合うかは最終的に鏡で確かめます」(20代・女性)

ECサイト別に見た“役割の違い”

ユニクロ/GU:低価格と品質の安定で支持される「安心の定番」

品質の安定性と実用性が評価され、好きなブランドとして「ユニクロ推し」26%(13名)、「GU推し」10%(5名)が挙がりました。トレンドよりも、安心感のあるベーシックな品質が支持されています。

「好きなブランドはユニクロで、理由は品質の良さです。トレンドよりも安心感のあるベーシックな品質を評価しています」(10代・女性)

「普段はユニクロが中心で、素材の良さと手頃な価格を高く評価しています」(20代・女性)

ZOZOTOWN:ブランドを横断して「見比べる」ための場

利用率は最上位の60%。「取扱ブランド数の多さ」と「一覧での見比べやすさ」が評価される一方、検索のしにくさ、クーポン・特典の把握のしづらさ、配送の遅さに課題の声もありました。

「普段はZOZOTOWNを使っていて、アプリで簡単に買えること、ブランド数が豊富なこと、価格帯の幅広さが気に入っています」(30代・女性)

「2番目に使うZOZOTOWNは見やすさやクーポン配布が魅力ですが、商品が探しにくいと感じます」(10代・女性)

楽天/Yahoo!:ポイント・クーポンで「お得に買う」場

ポイント還元やクーポンが主要な選定理由です。「他のサイトで見て、ポイント還元率の高い楽天系・Yahoo!で買う」という、探す場と買う場を分ける使い分けが見られました。

「ZOZOTOWNの服をヤフーショッピングで買うといっぱいポイントがもらえるから」(20代・女性)

「普段は楽天市場を一番使っていて、楽天マラソンのポイント還元やクーポンが主な理由です。ただ商品検索のしにくさや売り切れ状況の分かりにくさに不満があります」(30代・女性)

SHEINなどの低価格海外系:品質のばらつきを織り込んで使う「割り切り」

利用率は38%(19名)。生地の薄さ、商品写真と実物の差、においといった品質課題をあらかじめ認識したうえで、それを上回る価格メリットとデザインで使う「割り切り」の判断が見られました。

「普段一番使うのはSHEINで、価格の安さとデザインのかわいさが理由です。ただ商品の当たり外れが大きいのは気になっています」(30代・女性)

「次に使うのはSHEINで、かわいいデザイン、低価格、子ども服の豊富さが魅力。ただ生地の薄さや配送の遅さ、においには品質の課題を感じています」(40代・女性)

Amazon:配送の速さとまとめ買いで選ばれる「効率」の役割

利用率は52%(26名)。アパレル選びというより「買い物全体の効率」で選ばれており、プライム会員向けの翌日配送や、服以外の商品もまとめて買える利便性が評価されていました。

「普段一番使うのはAmazonで、プライム会員向けの翌日配送や扱うブランドの多さ、口コミを見られる点が便利です。ただ商品名で検索すると無関係な商品が出てくるのが不満です」(20代・女性)

「一番よく使うのはAmazonで、服以外の商品もまとめて買える利便性が主な理由です」(40代・女性)

セレクト/公式系:デザイン・世界観で選ばれる少数派

トゥモローランドなどのセレクト・公式系は、デザインや世界観への共感で選ばれており、価格軸で選ぶ層と共存していました。

「好きなブランドはトゥモローランドで、きれいめで仕事にも私服にも使え、流行に左右されにくい点を支持しています」(40代・女性)

アンケートでは見えない本音を、AIが言語化

選択式アンケートでは「どのサイトを使っているか」は分かっても、「なぜそこで買うのか」「どう使い分けているのか」までは見えにくいもの。Fast Interviewでは、AIが回答に応じて追加質問することで、「他のサイトで見て楽天系・Yahoo!で買う」「品質のばらつきを織り込んでSHEINを使う」といった、選択肢の裏側にある理由や使い分け方を可視化できました。

実務への示唆:自社ECサイトが担う「役割」を起点に体験を磨く

考察と結論

アパレルECサイトは「どのサイトが一番好きか」ではなく、「価格」「安心」「探しやすさ」を軸とした役割で使い分けられる時代になっています。各ECサイトにとっての打ち手は、単純な価格競争ではなく、自社が利用者にとって何の役割を担っているのかを見極め、その体験を磨くことにあります。

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